【保険の授業】20代の医療保険、いったい入院日額はいくら必要なの?
こんにちは。
みちこ先生です。
今回は若い方たちが医療保険に加入する際のポイントとして、
「入院日額はいくら必要なのか」についてお話したいと思います。
若いうちは入院なんてそうそうしないから最低限でいい?
そもそも医療保険なんて要らないんじゃないの??
そういうお声をいただくことがあります。
たしかにそうかも知れません。
でも、若いからこそ考えるべき問題点もあるんですよ。
医療保険の主契約は「入院日額◯◯円」
いま販売されている医療保険のほとんどは、入院すると一日あたり5,000円とか10,000円が受け取れる「入院給付金」が主契約となっております。
この入院日額はいったいいくらに設定すればいいのか?
「入院したことないからわかんないよー」
という感じでしょうけど、これを決めるには『今の日本の公的な健康保険制度』をざっくり知る必要があります。
まず基本のキとして、保険証を持っている現役世代の方は窓口負担が3割ですよね。
つまり、10,000円の医療費の場合は自己負担が3,000円。
3割と言っても、元の医療費が高額になってしまうと自己負担分も高くなるので、払えない場合も出てきてしまいます。
そこで出てくるのが「高額療養費制度」。
どんなに医療費がかかっても、ある計算式にあてはめて患者さんが払うべきひと月の自己負担額の上限を定めてくれる、つよ~い味方です。
その計算式がコチラ。所得別に上限額の計算が変わります。
平成27年1月診療分から
所得区分 |
自己負担限度額 |
多数該当 |
①区分ア |
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% |
140,100円 |
②区分イ |
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% |
93,000円 |
③区分ウ |
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% |
44,400円 |
④区分エ |
57,600円 |
44,400円 |
⑤区分オ(低所得者) |
35,400円 |
24,600円 |
注)「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。
「なんだかムズカシソウ・・・」に見えますが、そうでもありません。
標準報酬月額とは月々のお給料の支給額のことですから、20~30歳代はだいたい「区分ウ」か「区分エ」あたりの人が多いでしょう。
区分ウの場合は、ひと月あたり だいたい90,000~100,000円が自己負担の上限
区分エの場合は、ひと月あたり 57,600円が自己負担の上限
つまり2週間程度の入院であれば
【入院日額5,000円の医療保険の給付額】
5,000円 × 14日 = 70,000円
となり、まあまあ妥当な金額設定と言えそうですし、自己負担が10万円程度なら貯金で賄えるから、
「医療保険は不要!」
と考える人もいるかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか・・・?
人口ピラミッドから医療保険を考える!?
心強い味方の高額療養費制度。
でもこの制度ってずーっとこのまま続いていくのでしょうか?
ここ1か月ほどテレビを見ていると、医療制度改革のニュースの中で細かい改正がいくつかありました。
全体的に言えるのは
「なんだか日本の医療制度は財政がかなり厳しそう...」
ということです。
『少子高齢化』この言葉はすでに聞き慣れてしまって耳にタコかもしれませんが、今の20~30歳の人たちが定年になるころ、年齢別の人口分布はどうなっているでしょうか?
下の図は国土交通省が発表している長期展望のまとめ資料に出ているものです。
(※引用元:国土交通省ホームページ)
ここでのポイントはただ二つ。
2050年(いま25歳の人が60歳です)になると、
1. 現役世代人口は8,442万人 から 4,930万人 へ 約5割減となる
2. 65歳以上人口は2,576万人 から 3,764万人 へ 約4割増となる
つまり、健康保険料を納める現役世代が半分になり、医療費をたくさん使うお年寄りがほぼ倍になるんです!
保険証があれば3割負担、なんてムリ。
高額療養費制度が今と同じ上限額、なんてムリ。
そんな世の中だと思いませんか?
明日から急に出生率がV字回復しない限り、人口の問題は避けられないのです。
まとめ
医療保険は「公的な保障では賄いきれない自己負担部分を補うもの」です。
将来の大幅な自己負担増に備えるには、日額5,000円の医療保険ではなく、最低でも日額10,000円あった方が良いですよね。
それをなるべく保険料が安く、どんな保険でも入れる健康なうちに検討した方が良い。
みちこ先生はそう思うのです。
医療保険は自分の体が弱って、気持ちも沈んでいるときに使うもの。
そんな時に
「こんなはずじゃなかった〜〜!!!」
と、お金の心配までしたくはないですよね。
特に20代で、初めて保険を考える人は参考にしてみてください。
自分の将来は自分で設計しましょう!